バンクーバーで住まいを選ぶ際は、まず「ダウンタウン」と「郊外」で生活環境が大きく異なります。ダウンタウンは職場や学校へのアクセスが非常に便利で交通費を抑えられますが、家賃は高めです。住居はアパートやコンドミニアムが中心で、シェアハウスではリビングや小さなスペースをカーテンで仕切って部屋として貸し出す「詰込み型」の形態が多い点も特徴です。さらに、オフィスや語学学校が集中し、徒歩や自転車で生活が完結する利便性の高さが魅力で、短期滞在者には特に人気があります。一方で郊外は家賃を抑えられる反面、通勤時間と交通費がかかるため、短期滞在は利便性重視、長期滞在はコスト重視で判断すると現実的です。
ダウンタウン内のエリア
West End(ウェストエンド)
ダウンタウン西側にある住宅地で、静かで閑静なエリア。古いアパートも多く、ワーホリや留学生も多く住んでいます。スタンレーパークやイングリッシュベイに近く自然も豊かです。スーパーや公園も多く、落ち着いた環境で暮らせます。
Yaletown(イエールタウン)
再開発されたおしゃれなエリアで、カフェやレストランが豊富。高層コンドが中心で、治安も比較的安定していますが家賃は高額です。
Coal Harbour(コールハーバー)
海沿いの高級住宅地で、静かな暮らしを求める人に適しています。生活費は高めですが、景観の良さは大きな魅力です。
Chinatown(チャイナタウン)
歴史的な街並みや多様な食文化を楽しめるエリアですが、イーストサイド寄りの一部地域では薬物やホームレス問題が見られます。ただし特定のエリアを除けば日中は観光客も多く、必ずしも危険というわけではありません。夜間の一人歩きを避けるなど注意をすれば、生活圏として利用できるケースもあります。
郊外のエリア
Kitsilano(キツラノ)
ダウンタウンに近いビーチエリアで、若者や学生に人気。カフェやショップが集まり、夏は特に活気があります。
Mount Pleasant(マウントプレザント)
交通アクセスが良く、新しいアパートやカフェが多いエリア。アートやカルチャー好きに向いています。
Commercial Drive(コマーシャルドライブ)
多文化エリアで各国の食材やレストランが豊富。比較的家賃も抑えやすく、自炊派には便利です。
Burnaby(バーナビー)
大型ショッピングモール「Metrotown」があり生活に便利。スカイトレインで20分ほどでダウンタウンに通えます。
Richmond(リッチモンド)
アジア系の住民が多く、食材や飲食店が充実。空港に近いのも特徴ですが、ダウンタウンまでは30分以上かかります。
North Vancouver(ノースバンクーバー)
自然が豊かでハイキングやアウトドア好きに人気。シーバスでダウンタウンに通勤可能です。
New Westminster(ニューウェストミンスター)
古い街並みが残る落ち着いたエリアで、家賃が比較的安め。スカイトレインの利用で便利に移動できます。
Surrey(サレー)
広いエリアで家賃は少し安めですが、治安に不安のある地域もあるためエリア選びには注意が必要です。特に中心部から離れると住宅環境が大きく異なるため、住む際は物件の周辺環境を必ず確認することが推奨されます。
実務的な注意点
- East Downtown(特にチャイナタウン東側の一部)は薬物やホームレス問題が目立つため夜間の一人歩きは避けるのが無難です。
- 日本からの人に良く聞かれる質問として「近くにスーパーがあるか」を気にする声がありますが、バンクーバーは日本のように各地域にコンビニやスーパーが必ずあるわけではなく、学校や職場の帰り道で買い物を済ませるのが一般的です。
- 普通に生活をする分には治安的にはどこに住んでもほとんど問題はなく、過度に心配する必要はありません。
- 帰宅ルート上にスーパーやドラッグストアがあるかどうかを重視すると生活の快適さが変わります。
- 暗い路地や夜遅くの移動を避けるなど、防犯意識を持つことが重要です。