2024年11月8日以降は、就学許可証(Study Permit)に記載されているDLI(Designated Learning Institution/カナダ政府指定教育機関)に在籍していることが義務づけられています。これにより、従来のようにオンラインアカウントからDLI変更を届け出ることはできなくなり、学校を変更する際は「延長としての新しい就学許可申請」を行う必要があります。
また、2025年1月22日以降は、就学許可の延長申請時に通常PAL(州発行証明)またはTAL(準州発行証明)の提出が義務化されています。
どんなときに申請が必要か
- 同じ学校内で専攻やプログラムを変更する場合:現在の就学許可が有効で条件を満たしていれば、新たな申請は不要。ただし許可の延長が必要なときはPAL/TALが求められることがあります。
- ポストセカンダリー(大学・カレッジなど)間でDLIを変更する場合:必ず新しい就学許可(延長申請)が必要です。
- 高校から大学など上位レベルへの進学、または大学などから高校への変更:いずれも新しい就学許可を申請する必要があります。
- 初等・中等教育(小中高)の範囲内での転校:就学許可が有効で、特別な制限がない場合は新たな申請は不要です。
- 複数の教育機関が連携して行う共同プログラム:主となるDLIが、次の学校への進級に条件がない入学許可を出し、在籍・出席を報告していれば、新たな許可は不要です。
手続きの流れと注意点
- 転校先の学校が必ずDLIリスト(政府指定校リスト)に掲載されており、入学制限対象リスト(Suspended DLI list)に含まれていないことを確認してください。
- コープ(Co-op)プログラムを含む学校へ移る場合は、新たにCo-op就労許可証を申請する必要があります。
- 申請時には以下の書類を提出します。
- 学校を変更する理由を説明したレター
- 有効なPALまたはTAL(該当する場合)
- 新しい入学許可書(Letter of Acceptance)
- すでに就学許可の延長や変更を申請中の場合は、IRCCウェブフォームを通じて新しい書類を提出することができます。
新しい学校で学び始められるタイミング
新しい就学許可の審査中に授業を開始できるのは、以下すべての条件を満たす場合のみです。
- 新しい学校から入学許可(LOA)を受け取って以降、カナダ国内に滞在し続けていること
- 以前の就学許可の条件を引き続き満たしていること
- 前の学校が閉校した、プログラムを終了した、入学制限対象リストに掲載された、またはDLI資格を失ったいずれかの状況に該当していること
上記に当てはまらない場合は、必ず新しい就学許可の発行を待ってから転校先で授業を始める必要があります。
変更を申告しない場合のリスク
もしDLI変更を申告せずに通学を始めてしまうと、元の学校が移民局へ「未登録」として報告するため、以下のような重大な影響が生じます。
- 就学許可の条件違反となる
- 許可が無効または取り消しになる可能性がある
- 退去要請を受ける、またはステータス変更を求められる可能性がある
- 将来的に新たな就学・就労許可が承認されにくくなるリスクがある
ケベック州への転校について
ケベック州に移る場合は、通常CAQ(ケベック受入証明書)の発給証明書を取得し、就学許可申請とあわせて提出する必要があります。職業訓練センター(VTC)間での転校は新たな就学許可は不要ですが、新しいCAQの取得が必要です。
実務的なアドバイス
- DLI変更時期と在籍報告時期がずれると、旧校側で未在籍扱いとなるケースがあり、将来のビザ審査に影響することがあります。転校は申請→承認→登録の順に進め、在籍の空白期間を作らないようにしましょう。
- IRCCから「在学確認」のメール(@cic.gc.ca)が届く場合があります。記載期限までに必ず手続きを行ってください。
参考サイト
Changing your school or program - Canada.ca
https://www.canada.ca/en/immigration-refugees-citizenship/services/study-canada/change-schools.html