2024年5月から、日本国籍の人は国外転出後も国外転出者向けマイナンバーカードを取得、継続利用できるようになりました。ただし、国外転出者向けのカードとなるため、日本居住者向けの携帯電話や証券会社などのサービスでは利用できない場合があります。銀行口座は銀行によりますが、海外居住後も維持できる場合が多いです。
日本の住所が記載されたマイナンバーカードには、携帯電話やeSIMのオンライン契約、銀行や証券会社の手続き、相続、行政手続きなどで本人確認をしやすいメリットがあります。しかし、国外転出届を出すと国内住所付きのカードではなくなるため、この状態を維持するには日本の住民票を残す必要があります。
1年以上海外を生活の本拠とする場合は国外転出届を出すのが原則ですが、仮に出さなくても問題になることはありません。
カナダ在住で転出届を出さないデメリット
日本に住民票を置いたままにすると、日本国内の居住者として扱われるため、主に下記の費用が発生します。
- 市民税、住民税
- 国民健康保険(以下「国保」)
- 国民年金
住民税は前年所得がなければ実質0円になります。国民年金は条件を満たせば免除や納付猶予を申請できます。一方、国保は所得が0円でも均等割などがあるため、0円にはなりません。
住民票を置いたまま国保に未加入状態にする
国保は自分の希望だけで脱退できないため、脱退するには国外転出などをする必要があります。そのため、一度国外転出した後に転入届を出し、国保の加入手続きを行わなければ、実質的に未加入状態となります。
ただし、国保への加入は義務となっているため、多くの役所では、転入届の提出後、そのまま国保や国民年金の手続きへ進む一連の流れになっています。
しかし、多くの役所では転入手続きと国保、国民年金の窓口が分かれているため、転入届だけを提出し、その後の国保の窓口で加入手続きを行わなければ、実際には国保の加入処理がされていない状態になります。
また、出張所など窓口が分かれていない場合は、「会社の厚生年金に加入する予定」などと伝え、国保の加入手続きをその場では行わなければ、同じように国保の加入処理がされていない状態になります。
国保は未加入期間もさかのぼって請求されるが、転出届もさかのぼって手続きできる
国保は加入手続きをしていなくても加入資格自体は発生するため、後から国保へ加入すると、資格発生日までさかのぼって保険料を請求されます。
一方、実際には海外を生活拠点としていた場合、パスポートのスタンプなどの出入国記録を提出することで、過去にさかのぼって国外転出の手続きをしてもらえます。自治体が実際の出国日にさかのぼった国外転出を認めてくれれば、その期間の国保資格も変更され、結果として保険料が発生しなくなります。
そのため、日本出国時にはパスポートの出入国記録を残しておくと手続きがしやすくなります。パスポートにスタンプがない場合は、出入国在留管理庁へ出入国記録の開示請求を行うこともできます。
参考サイト
出入国在留管理庁
https://www.moj.go.jp/
出入(帰)国記録に係る開示請求手続
https://www.moj.go.jp/isa/publications/privacy/record.html