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  • カナダでラジオを聞くとカナダの曲ばかり流れるのですが、なぜか特別…
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カナダでラジオを聞いていると、海外の曲よりもカナダ人アーティストの作品が多く流れているように感じます。これは単なる傾向ではなく、放送局に課せられた特別なルールが関係していると聞きました。実際にどのような規定があり、放送局の種類や音楽ジャンルによってどのように異なるのか詳しく知りたいです。

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カナダのラジオやテレビにはCancon(Canadian Content Rules)という制度があり、カナダ出身のアーティストを支援するために、一定割合の放送時間をカナダ作品に充てることが義務付けられています。これにより、英米のヒット曲に混ざって、地元密着型や新人アーティストの楽曲も流れる仕組みになっています。

一般的なルール

多くの商業ラジオ局やコミュニティ局、キャンパス局では、放送するポピュラーミュージックの35%以上をカナダ作品とすることが義務です。さらに商業局は、平日の午前6時から午後6時の間も35%以上がカナダ作品でなければなりません。

また、CBC/Radio Canada についてはさらに厳しく、全体の50%以上をカナダ作品にすることが求められています。

ジャンル別ルール

ポピュラーミュージック(Category 2)とスペシャルインタレスト音楽(Category 3)で規定が異なります。

  • スペシャルインタレスト(クラシックやジャズなど)では、商業局は全体の10%以上をカナダ作品とし、コンサート音楽では25%、ジャズ・ブルースでは20%が基準です。
  • キャンパス局やコミュニティ局は12%以上、ネイティブ局は10%以上、CBC/Radio Canadaは20%以上をカナダ作品に充てる必要があります。
  • 民族系ラジオは、民族番組枠では7%をカナダ作品とし、それ以外の時間帯は通常の商業局と同じルールを適用します。

例外規定

古い楽曲やインストゥルメンタル楽曲を多く流す放送局には柔軟な規定が設けられています。

  • 1956年以前の曲のみを流す時間帯では、最低2%以上がカナダ作品。
  • 1981年以前の曲が90%以上を占める週では、30%がカナダ作品。
  • インストゥルメンタル曲が50%以上を占める場合は15%、35〜50%の場合は20%がカナダ作品と定められています。

Canconの意義

このルールにより、国際的に有名になる前のカナダ人アーティストがメディアに登場する機会が増え、地元の音楽文化が守られています。リスナーにとっても、ラジオを通じて新しいカナダ人アーティストを発見できる魅力があります。

参考サイト:
Canadian content requirements for music on Canadian radio
https://crtc.gc.ca/eng/cancon.htm
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